吉福 敦子

人間の根源にある喜びをひきだす
ダンスは技術がないと踊れないと思っていませんか？そんなことはありません。誰でも、経験の有無、年齢、性別、障がいに関わらず、ダンスを創り、踊ることができます。
例えば、歩くこと、名前を書くこと、料理をつくること、そんな一人一人の日常の動きから、また身近にある「もの」を使ってもダンスを生み出すことができます。普段意識していないことに目を止めることで、観察力が養われ、さまざまな気づきを得ることができるようになります。
また人は踊ることによって（それがリズムに合わせて揺れるだけであっても）「幸せ」を感じる脳内物質がでるそうです。踊る楽しさが、日々の「ささやかだけれど確かな幸せ」を感じる助けになるようにと願って活動をしています。

ダンスでつながる
ダンスをする時は、同じ空間で踊るので、相手がどこにいるか、相手を感じていないと怪我をしてしまいます。デュエット、トリオ、大勢で踊る。いずれの場合にも相手を感じながら踊ることが必要になります。一緒に踊る中で、言葉を使わなくても相手とのコミュニケーションが自然に形成されていくようワークショップをすすめていきます。人との関係性が希薄になってきている現代に、ダンスはコミュニケーション能力を身につける手法として有効と考えています。

一人一人違うことを祝福する
一糸乱れぬダンスが推奨されている場もありますが、私が考えるダンスは一人一人が個性的で、違っていることが大切です。ダンスには正解も不正解もありません。一人一人が今、ここにいることを祝福します。 違いを認めあうこと。それによって人は自分自身を肯定することができ、ひいては自分とは異なる他者をも受け入れることにつながると考えています。人には必ず他人と異なる良さがあります。ワークショップでは、自分ではなかなか気づけないそれぞれの個性を見つけて、伝えていきます。ワークショップ参加者が、自己と他者へのより深い気づきと発見ができるよう、心がけています。