丸子 由佳

ワークショップを通じて、自分自身を知り、そして表現する楽しさを感じてもらえることを大切にしています。 社会の様々なコミュニティの中で他者と協働していくとき、自分自身のことを適切に表現することが必要です。 でも日本の教育では他者と同じであることが良いとされ、本当の自分を表現することができなくなるため、社会の中で孤独感を感じてしまうなど課題意識を持っています。 私が考えるワークショップでは、自分なりの方法でワークショップを楽しみ、他者を通して自分を知ること、自分の心が動く瞬間にであうことを大切にしています。そしてそれを表現し、コミュニティの中で共有することで自己肯定感があがることにつながると考えます。 自己表現をしてもらうためには、安心できるワークショップの場づくりがかかせません。自分なりの方法で楽しんでもらえればいいという空気感をつくることも大切にしています。ワークショップ内で自己表現をすることはだれからも否定されない、ひとりひとりの表現に間違いはないという空気づくりや、参加者が自己表現することが楽しいと思えて、安心して自分を出せるような場づくりを大切に考えています。

参加者の自己表現を大切にしている一方で、それが安心して表現できる場であるということは、 他者に表現を受け入れてもらうということで、自分も周りの多様性を理解することにつながります。 ただ好き勝手に自己表現をするだけでは自分勝手な表現になってしまいます。 自分を表現するということは、誰かがそれを受け入れてくれるということを知り、また他者の表現を受け入れることで、ワークショップの場が社会のダイバーシティを理解するひとつのステップにしたいと考えています。なにかひとつの表現を通しても、テーマは同じでも人それぞれ違う表現があることをワークショップの中で様々なひとと出会い共有することで知っていき、自分とは違う表現があること、自分は知らない価値観をほかのひとが持っていることをワークショップの中でも知ることができます。それが実生活に戻ったときにも、学校のお友達にもいろんな考えの子がいること、社会や所属するコミュニティの中でも多様な価値観があることに気づき、結果としてダイバーシティの理解につなげたいと考えています。

エンターテインメントをワークショップに活用したプログラムを企画しています。 音楽やアニメ、ダンスやスポーツなど、エンターテインメントには人をわくわくさせる力があり、そして心を動かせると考えていて、ワークショップの参加者のわくわく感と、ワークショップを経たあとの心が動かせるような体験を提供することを、大切に考えています。 エンタメは非日常の世界での体験でもあるため、いつもとは違う特別な体験をワークショップの中で用意をすることで、それがワークショップが終わってからも、あたらしい学びや興味、関心がひろがるなど日常の中でも小さな変化をもたらすきっかけとなります。ワークショップでの体験が忘れられなくなるような、そんな感動体験をしてほしいです。 だからエンターテインメントを活用することで、ひとがわくわくする瞬間や、小さなことでもこころが動くような体験を大切に考えています。