プロフィール

■ミテモ株式会社 取締役 プロフェッショナル・ファシリテーター

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了
東京大学法学部卒業

LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドと教材活用トレーニング修了認定ファシリテータ
一般財団法人 生涯学習開発財団認定 認定ワークショップデザイナー

2000年、東京証券取引所(現・日本取引所グループ)に入社。2014年に、中高生向けの起業教育事業「JPX起業体験プログラム」を立ち上げ、日本各地で実施した。
2016年、ミテモに移籍。社会人・学生らに向けて、主に人材開発の領域で、ワークショップの企画・開発・ファシリテーションを提供している。
名古屋市「スタートアップ・ユースキャンプ」(2021年~)など、アントレプレナーシップ教育の実績多数。

認定WSD資格 取得年度

2022年度

主な活動地域

東京

私のワークショップを語る3つのキーワード

※ワークショップにおける自分自身の「特質」を踏まえたキーワード3つを説明しているものです。

あわい

あそび

あじわう

1. あわい

参加者が慣れ親しんだ環世界(学校など)とは異質な環世界(ビジネスなど)に触れさせる。「越境」という表現がよくつかわれるが、境界を越えるという意味では厳密には正しくない。ふたつの世界を明確に区切る境界線があるわけではなく、両世界がまじりあった、あわいとなる領域が、線ではなく面として現れるイメージ。自分がつくるワークショップでは、そのような意味でのあわいの領域をつくり、そこに参加者を連れていき、そこでの世界を体験してもらう。気に入ったらさらに奥に進んでもよいし、気に入らなかったら元の世界のほうへ戻っていってもよい。

言葉をかえると、異質性と同質性がないまぜになった状態ともいえる。異質性があるから、日ごろとはちがう自分になって、思い切ってリスクをとれる。他方で同質性があるからこそ、日常生活に戻れる安心感、学びや経験を日常へフィードバックできる有用性がある。

2. あそび

私が提供するワークショップでは、現実世界という、不確かさに満ちた状況に参加者をさらしにいくため、事前にその状況のなかでどのようなことが起こるかを予見しつくすことは難しい。また、予見不可能な状況のなかで立ち現れてくる参加者の個人的又は集合的な振舞いと、そこで起こる学習や認知の変化こそが、このような場に巻き込まれることの最大の醍醐味である。そのために、事前にデザインする際には、あらかじめきっちりと予定を組みきる部分もありつつ、一定の不確定要素すなわちあそびがプランに組み込まれた場にすることが多い。

不確定さは、ハイボラティリティ、つまりポジティブにもネガティブにも大きく振れる状態ともいえる。このような場をつくる際は、ネガティブ事象への対処が鍵になる。起こってもらっては本当に困るネガティブな事象を重点的に潰しておくことがここでのポイント。起業ワークショップでは、特に防ぎたいのは、法律や倫理違反、安全・衛生の問題。これらについては、法律専門家に監修に入ってもらうなどで、未然にリスクに対処した。それ以外のネガティブな事象については、リフレクションを通じて学習体験に紐づけ直す設計にした。

3. あじわう

上記のとおり、自分のなじみのある環世界から一時的に離れて、異質さ・不確かさに触れる体験を、ワークショップのなかでは提供する。そこからさらに奥へ進むにせよ、元の現実の世界へ戻っていくにせよ、この体験はいったいなんだったのか、どんな意味があるのか、自分が持ち帰るべき意味はなんなのかを、腰をすえて考える契機を提供することが必須である。

一般的な垂直的な方向に自分自身への問いかけ・対話を促すこともあれば、水平方向に他者との体験の意味の分かち合いをすることもある。垂直・水平の両方向に対話し言語化を試みるプロセスそのものが、本体験を本格的にあじわうことでもある。

どんなワークショップでもリフレクションの時間は大切だとおもうが、私のワークショップにおける体験内容は一回性の個別事象であり、生々しく影響力も大きい場合もあるため、体験内容をしっかり反芻して咀嚼しなおす時間は不可欠であり、この時間が十分に設計しつくされていないとワークショップそのものは有害ともなりかねない。

ワークショップ実績

現所属のミテモに移籍後に、自分が登壇者として関わったワークショップの登壇件数は、約200件。
うち半数の100件は、LEGO® SERIOUS PLAY®のワークショップ。(2023年3月時点)